忍者ブログ

SOLICITOR

何事もポジティブシンキング!
09 2024/10 1 2 3 4 56 7 8 9 10 11 1213 14 15 16 17 18 1920 21 22 23 24 25 2627 28 29 30 31 11

10.07.00:19

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

05.18.08:10

漁夫の利

最近、ふと『ナニワ金融道』が見たくなったので、いきなり5を入手して

それから見ました。

ちなみにこの『ナニワ金融道』という作品は十数年前に私に衝撃を

与え、私を金融業界へ導くきっかけとなったと言っても過言ではない

作品なので、非常に思い入れの強い作品であり、これを描かれた

故青木雄二先生には敬意を表します。



物語の途中に肉欲棒太郎という人物が登場し、彼が経営する㈱肉欲企画が自社ビルを

建設中で、そのビルは当初はオフィスビルという名目で建設に着工したのですが、

蓋を開けてみると実は風俗店専用ビルになるとのことで、近所の主婦連合が

肉欲ビル建設中止を求める反対運動起こしているのですが、署名運動をする位で

決定的な打開策がありません。

一方、肉欲棒太郎は肉欲ビル建設のため、その土地買収とビル建設費用に

かかった8億円をノンバンクから借りており、時価4億程の土地と建てかけの

ビルに債権額8億の抵当権をうたれています。

すでに担保割れしているので、そのノンバンクからはどうしても追加融資が

受けられないのですが、肉欲棒太郎はビルの工事業者に5,000万円を

支払わなければビルを明け渡してもらえなく、主人公の灰原君が勤務する

㈱帝国金融に5,000万円の融資をお願いしています。

そこで、灰原君が儲かる絵を描きました。

その描いた絵とは、まず肉欲棒太郎には彼のビル全部のフロアに短期賃借権

(今は民法の改正により廃止されましたが)を灰原君個人の名義での設定と

代物弁済予約を㈱帝国金融の名義での設定を条件に希望金額の半額の

2,500万円を融資し、残りは手形で工事業者に支払うようにと告げ、

(いわゆる半金半手)いったんはビルを肉欲棒太郎のものとさせます。

そしてその一方で、近所の主婦連合に風営法を利用して肉欲ビルのすぐ

近所に病院を作って風営法の許可を下ろせなくする方法を教え、

その主婦連合に病院の設置費用として500万円を融資して、近くの医者を説得

して肉欲ビルのすぐ近くに病院の分院を作らせて風営法の許可を下ろせなくして、

風俗業者を営業出来なくして肉欲が返済が滞るのを待って肉欲ビルを

奪い取ってしまおうというものです。

まさに『漁夫の利』ですね!

その後の展開は帝国金融の策略通りとなり、当然に風営法の許可がおりなく

営業が開始出来ない店子達は怒り狂って肉欲のところへ保証金と前家賃を

返せと押しかけます。

ノンバンクや帝国金融への返済や当面の運転資金に充てようとしていたと

考えられる保証金と前家賃を返還した肉欲企画は倒産となる事は間違いなく、

肉欲はその日のうちに夜逃げをすることを決意します。

その事を察知した灰原君と上司の桑田さんは直ぐに肉欲企画へ駆けつけ、

彼からビルの鍵をもらって肉欲ビルを占有します。

そして、しばらくしてから帝国金融の社長、金子高利はノンバンクへ一億円で

滌除(今の消滅請求)を申し出、結果帝国金融はたった1億2千5百万円で

肉欲ビルを手に入れます。

 帝国金融の策略にまんまとはめられた肉欲棒太郎さんですが、彼は夜逃げを

しなくてもすんだのではないかと、ふと疑問に思いました。

それは余目町個室付き浴場事件(最判昭53.6.16)を思い出したからです。

私は法律家ではないので詳しい事はわかりませんが、素人意見としては分院を

出すのに許可がいらないのであれば問題ないのですが、もしも肉欲ビルの近くに

分院を出すのにも行政の許可がいるのであれば、それを認めた行政庁は行政権の

濫用に相当し、うまくいけば許可の取り消しを求められたのではないでしょうか?

(時系列でいくと風営法の許可申請の方が病院設置の許可より後となって

どうしても不利になりますが)

許可の取り消しが無理だったとしても、許可をした行政庁は国賠の対象となるのは

最高裁判例で認められており(最判昭53.5.26)、主婦連合や帝国金融には

民事上の損害賠償を請求が出来、刑事事件としても詐欺で告訴出来たのでは

ないかと思います。

何にせよ、

『法律は知ってる者の味方』

無知で転ばないようにもっともっと勉強しなければなりませんね。

 

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACKBACK

TRACKBACK-URL