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12.02.21:25
行政書士受験生の間で話題となっている今年の本試験・問題45の記述問題
問題45 Aは、飼っている大型のドーベルマンを、鎖を外したまま連れて散歩に出ていた が、この犬が歩行者Bを見かけて走って行き、襲いかかってしまった。そこで、あ わててBは近くのC宅敷地に飛び込み、自転車や植木鉢を壊してしまった。この場 合、Cに対する損害賠償責任をBが負わないためには、どのような要件を満たす必 要があるか。40字程度で記述しなさい。 この問題に対する私が通う予備校の模範解答は Bは、自己の権利を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者にあたれば、賠償責 任を負わない。 とのことですが、 これはうちの先生の見解ではどうやら司法試験家、司法書士試験家を落とすための問題らしく、 先生も解答に15分も取られ、次の問題を解くにあたっても頭のドーベルマンが走り回っていたらしく、 非常に難問で正解率が悪かったようです。 本問題に対して私なりに調べてみると なぜ本問題が緊急避難ではないのかというと、まず正当防衛も緊急避難も共に刑法と民法の両方にその概念があり、 まず民法上の緊急避難は他人の物によって生じた急迫の危難に対して、自己または第三者の権利を防衛するためにその物を毀損する行為については不法行為による責任を問わないというものであり、民法720条2項に規定があります。 例えば、他人の飼い犬(生物であるが民法上はあくまで「物」として扱われます)が暴走して襲ってきた場合に ![]() ![]() 他方、民法上の正当防衛とは、他人の不法行為に対して自己や他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為のことであり、それによって他者に損害を与えたとしても損害賠償責任は発生しません(民法720条1項本文)。 例えば、暴漢から逃れるため他人の家の門を壊して敷地内へ逃げ込んだ場合、他人の家の門扉を破壊する行為について、刑法上では緊急避難の問題となりますが、民法上は正当防衛の問題となります。 また、これは行政書士試験対策には余り関係ありませんが、刑法上の正当防衛と民法上の正当防衛は、前者が犯罪の正否に関わる問題である一方、後者は損害賠償責任の有無という問題です。 以上のことを本問題にあてはめると、問題文が 『ドーベルマンに対して反撃した』となっていれば、緊急避難であり、 本問題のように『あわててBは近くのC宅敷地に飛び込み、自転車や植木鉢を壊してしまった。』のであれば正当防衛となるようです。 ですので、正確には問題が刑法上の緊急避難を聞いてきているのであれば確かに緊急避難で正解なんでしょうが、 刑法が試験範囲に無い行政書士試験において、本問題は正当防衛が正解であり、 そう考えるとやはり先生の見解通り、あきらかに刑法を勉強している司法試験家、司法試験家を惑わせるには良問だと素人ながら思いました。 緊急避難と記述した場合の正誤判定はどうなるかは私にはさっぱりわかりません。。。。。 ま、正解していない私には偉そうな事は言えませんがね ![]() 噂によると、解答欄に 「犬が悪い。」 や 「鎖を外したまま連れて散歩に出て行った飼い主Aが悪い」 などと記述された方もおられたとかおられないとか・・・・・・・・・・・・笑 いずれにせよ、受験生のほとんどが 本試験の最中に、合格へ向けて進んでいく過程で最後の砦の前で門番をしていた テュポンとエキドナの子・ケルベロスに牙を剥かれ、捕らえて貪り食われたって感じですかね? ま、択一で得点を稼いで加速度をつけられた方々は、最後の砦で失速しても何とか潜り抜けられたみたいですが! 私も噛み付かれてその唾液であるトリカブトにやられちゃいました ![]() 私の中でもまだ、ドーベルマンが走り回っているし、今後外でドーベルマンを見ると今年の記述問題を思い出すと思う ![]() ![]() うちのROCKなら決して人に襲いかかったりしいひんし、逆に人の顔ばっかり舐め回しとるのにな~ ![]() PR
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